性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第三条第二項に規定する医師の診断書の記載事項を定める省令
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(平成十五年法律第百十一号)第三条第二項の規定に基づき、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第三条第二項に規定する医師の診断書の記載事項を定める省令を次のように定める。
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(平成十五年法律第百十一号) 第三条第二項の規定する医師の診断書に記載すべき事項は、当該医師による診断を受けた者に係る次の各号に掲げる事項とし、 当該医師は、これに記名押印又は署名しなければならない。

 一 住所、氏名及び生年月日

 二 生物学的な性別及びその判定の根拠

 三 家庭環境、生活歴及び現病歴

 四 生物学的な性別としての社会的な適合状況

 五 心理的には生物学的な性別とは別の性別(以下「他の性別」という)であ。るとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有すること並びにその判定の根拠

 六 医療機関における受診歴並びに治療の経過及び結果

 七 他の性別としての身体的及び社会的な適合状況
 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第3条第2項に規定する医師の診断書の記載要領について

昨年7月に成立した性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律平「」(成15年法律第111号)に基づく「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第3条第2項に規定する医師の診断書の記載事項を定める省令(平成16年」厚生労働省令第号)については、本日付けで公布され、平成16年7月16日から施行されるところであるが、性別の取扱いの変更の審判を請求するに際して家庭裁判所に提出する必要がある医師の診断書(参考様式)の記載事項については、この省令によるほか、別紙の通り「性同一性障害者の特例に関する法律第3条第2項に規定する医師の診断書の記載要領」を定めることとしたので、よろしく御了知の上、貴管下関係者、関係団体に対する周知方につき御配慮願いたい。
( 別 紙 )
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第三条第二項に規定する医師の診断書の記載要領

1住所、氏名及び生年月日
→ 生年月日は、西暦で記載してもよい。

2 生物学的な性別及びその判定の根拠
→ 診断を受けた者に対して行われた性ホルモン検査、性染色体検査、外性器や内性器の診察等の結果及びその検査結果等から同人の生物学的な性別を明らかにすること。
上記の検査等については、生物学的な性別が総合的にみて判定できればよく、上記に挙げた検査等をすべて行わなければならないものではない。  また、上記の検査結果等から半陰陽、間性、性染色体異常等の生物学的な性別に関連する異常が認められる場合には、その旨記載すること。  なお、診断を行った医師と上記の検査等を行った医師が異なる場合においては、検査等を行った医師の氏名、所属機関を明記するとともに、可能であれば、検査等を行った医師が作成した検査等の結果についての診断書を別添すること。
診断書を別添することができない場合は、検査等の結果についての出典を明記すること。

3 家庭環境、生活歴及び現病歴
→ 診断を受けた者の家庭環境、生活歴及び現病歴において、どのような性別意識を持ってきたか又は持っているかについて、両親・兄弟等の親族との養育関係や普段の生活様式(例えば、服装、言動、人間関係、職業歴、性行動歴等)に着目して示すこと。その際、可能な範囲で、診断を行った医師が親族等から聞き取った供述を示すこと。

4 生物学的な性別としての社会的な適合状況
→ 診断を受けた者が、学校、会社等社会的な関係における友人・知人や同僚との関係において、生物学的な性別としてどのように適合してきたか(いるか)を示すこと。

5 心理的には生物学的な性別とは別の性別(以下「他の性別」という)であ。るとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有すること並びにその判定の根拠
→ ここでは、診断を受けた者が性同一性障害者であると診断できることを記載すること。
 その際、前記3及び4で診断したような同人の心と身体との間の違和感や葛藤を通して、どのように自らの生物学的な性別に対する嫌悪感を意識し、他の性別であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有するようになったのか及びその持続期間について示すこと。
 また、あわせて同人が統合失調症などの精神障害、文化的又は社会的理由による性役割の忌避や、もっぱら職業的利得を得る目的などによって性別の取扱いの変更を求めるものではないことについて、その根拠を挙げて示すこと。

6 医療機関における受診歴並びに治療の経過及び結果
→ ここでは、性同一性障害に係る精神的サポート、ホルモン療法・乳房切除術、性別適合手術等の各段階の治療の経過及び結果について記載すること。
 具体的には、治療の必要性及び目的の他、以下の事項について記載すること。

(1) 精神的サポートについて、
1)治療に携わった医師の氏名及び所属機関、2)治療の行われた期間及び治療の内容、3)治療の経過及びその結果についての意見(治療の妥当性、正当性についての評価)を具体的に示すこと。

(2) ホルモン療法・乳房切除術について、1)その治療に携わった医師の氏名及び所属機関、2)治療の行われた期間及び治療の内容、3)治療の経過及びその結果についての意見(治療の妥当性、正当性についての評価)、を具体的に示すこと。
 また、ホルモン療法において投与された薬剤については、その名称、効用及び投与目的を明らかにし、効能についての資料を添付すること。

(3) 性別適合手術について、1)その治療に携わった医師の氏名及び所属機関、2)治療の行われた期間及び治療の内容、3)治療の経過及びその結果についての意見(現在の生殖腺の機能並びに治療の妥当性及び正当性についての評価)を具体的に示すこと。また可能であれば手術記録を添付すること。

 性別適合手術によって生殖腺を除去したり、陰茎や腟の形成手術を行った場合には、2)にその旨を記載すること。
また、診断を受けた者が何らかの原因により生殖腺が存在しなかったり、生殖腺は存在するものの抗ガン剤の投与やエックス線照射等によってその機能全般が失われている場合も、2)にその旨を記載すること。
 また、診断を行った医師と上記(1)から(3)までの療法等を行った医師が異なる場合においては、診断を行った医師は、他の医師が作成した上記療法等についての診断書を別添する等、可能な範囲で資料収集に努める必要がある。

7 他の性別としての身体的及び社会的な適合状況
→ 診断を受けた者が、性別適合手術等の治療を受けた後、手術により形成又は切除された乳房・性器に係る部分の状態が一般的に見て他の性別に係る身体の性器に係る部分ととれる状態でかつ身体の一部となっていること及び同人が学校、会社等社会的な関係における友人、知人や同僚との関係において、他の性別としてどのように適合しているかを示すこと。その際、可能な範囲で、診断を行った医師が、診断を受けた者の手術後の身体や社会的適合状況に関して、診断を受けた者の親族等から聞き取った供述を示すこと。
 なお、診断を行った医師と上記の適合状況についての診察を行った医師が異なる場合においては、診察を行った医師の氏名、所属機関を明記するとともに、診察を行った医師が作成した上記の適合状況についての診断書を別添すること。

8 診断書の作成年月日
→ 作成年月日は、西暦で記載してもよい。

9 その他参考となる事項
→ 1から8の他に性別の取扱い変更の審判において参考となる事項を示すこと。

※1 診断書の作成については2名以上の医師が連名で行うことも可能である。
※2 外国語で記載された診断書(以下「外国語診断書」という)を別添する場合は、同診断書の記載内容のうち本件診断書の作成に当たって重要と考えられる部分については、その内容を本件診断書中に適宜引用するなどして、外国診断書の妥当性や正当性が本件診断書の記載から明らかになるようにすること。
ジェンダークリニック
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